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ティータイム

ブログ…弊社秘書・スタッフの随想・メッセージ・独り言・・・。

春待つ風景

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明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

皆様、年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか?

わが家は、年末最後の日に、奈良を気ままに散策することにしています。除夜の鐘を待って夜を徹して賑わう初詣前、嵐の前の静けさで、ほとんどの店舗は閉まり奈良の町はひっそりします。おそらく一年で一番奈良を、静かに我儘に楽しめる時間だろうということが大きな理由ですが、寺社を巡り一年の無事を感謝するためもあります。いつの頃からか家族も巻き込んで続けています。ただ、ここ数年は、年末年始休暇の観光客、とくに海外からの観光客が増えて、必ずしも静かとは言えなくなったようですが。

猿沢池のほとり沿いから興福寺へと、52段の階段に向かいました。知らなければ単なるナダラカな階段ですが、仏門の修行段階の52を表現しているとかで、煩悩多き身なればしっかり踏みしめてと、ここはどうしても意識してしまいます。そんな内面に向いた思いを、階段を登りつめたところで見上げる雄大な興福寺の五重塔が一気に開放してくれます。

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阿修羅像の安置されている国宝館を横目に東に、春日大社参道方面に向かいますが、ここで少し南に逸れて、浮見堂へ。天気は晴朗で空に雲が少し浮いている程度ですが、池面に反射する陽光が冬のそれで、か弱い輝きが閑散とした殺風景を助けていました。

そこから飛火野を通り、春日大社参道から春日大社へ。次に北に向かい、水谷神社、水谷茶屋、若草山麓を経て手向山八幡宮から東大寺の三月堂、二月堂へと。大晦日ですが、正月の飾付けがあちこちで見られ、すでに新年の装いです。

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東大寺二月堂、この南側の階段を上り詰めたところ境内奥に『龍美堂』という甘味処があります。毎年必ず、ここでわらび餅をいただきます。黒蜜たっぷりに浸ったわらび餅に、きな粉と砂糖と抹茶粉がしっかり降りかけられていて、これらを混ぜていただくのです。この混ぜ具合が絶妙な味を生み出します。良く混ぜても軽く混ぜても美味しいのですが、好みの混ぜ具合を見出すのも楽しみです。そして、この寒い時期は特にそうですが、黒蜜のほのかな温かさが包むようにからまって、これら甘味ブレンドを最高に引き立たせます。温かさの演出に、いつも感心します。付き出しのように出てくる修行僧の行法味噌を、一かけら口にして、お抹茶の苦味といただく…正月からやがてこの場所で繰り広げられる春の行法『修二会』を思いながら。 これで、一年が無事に、暮れゆきます。

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2014/01/11 posted by z