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祈り

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昨年の暮れに、77歳の母を連れて母の妹達が住んでいる故郷の済州島に帰省しました。韓国ではお正月は旧暦でお祝するのですが、高齢の母が国を別に住んでいる妹達(私の叔母達)とお正月を迎えたいと言うので、日本に住む私たちの都合で韓国の親戚家族に新暦で休みをとってもらいカウントダウンパーティーや簡単な韓国内での観光旅行も予定して楽しみに行きました。

1050空港に着くと、いつも母の妹が車で迎えに来てくれています。その日も小柄な私の叔母が笑顔で迎えてくれました。そして、お昼に美味しい鳥のお粥のお店を予約していると言うので叔母が運転する車で食事に向う車中で、突然叔母が意識を失いかけました。1分前まで元気に話して運転していたのに、急に真っ青な顔になり車を急停車させました。私も主人も国際免許を持っていないので、とにかく路肩に車を停車させたまま救急車と叔母の娘に連絡をとりました。

救急病院に運ばれた叔母は、それから2週間生死をさまよい、新年を迎え私たちが日本に帰っても、意識がはっきりせずにヘリコプターで済州島よりソウルの大学病院へ転院しました。昨年の12月27日に私たちの目の前で倒れて以来8ヶ月間入院し、今年の8月に退院しました。そして叔母の娘達(従姉妹たち)がまだ後遺症で歩くこともままならないけれど奇跡的に命を取り留めた叔母を日本に連れてきて思い出を作りたいというのでこちらの家族で温泉旅行や食事会等を企画しました。

韓国の親戚と日本の家族を合わせて16人での温泉旅行や、20数人の家族での食事会を準備、決行するのは大変でした。親孝行とは半分は子供の自己満足だと思います。1051少しでも多く母達との思い出を胸に遺したいのです。年老いた母達は正直静かに姉妹で過ごしたいと思っていたかもわかりませんが、子供たちが企画した予定を疲れた顔を見せずに付き合ってくれました。

そして叔母が韓国へ帰る前日に私に言いました。「親も子も、私もあなたも、もっと相手に良いことを、もっと何かをしてあげたいと思っている。でも、してあげられる事はあまりないのです。ただあなたが笑顔でいてくれればいい。あなたが笑顔で過ごせるようにいつも祈っています。」この話を聞いている時に何故か涙がこみ上げました。体が不自由になってしまった叔母がたどたどしい日本語で伝えてくれた言葉を胸に、母や叔母達に少しでも長生きしてわたしの笑顔を沢山見て欲しいと思いました。

2014/11/22 posted by moon