子供の頃、母親に連れられて天王寺に買い物行ったとき、「『天王寺』なのになぜ『あべの』なの？」と尋ねたことがありました。「『天王寺』と『あべの』は同じ！」と、いとも簡単に言いくるめられて、「ふ～ん…」と純真無垢に返事した記憶があります。

今から考えるとちょっと乱暴ですが、これって大阪チックなのかもしれません。　最近の駅名は判別しやすさを配慮した命名がなされているようですが、鉄道ができた当初、当時の国鉄（つまり国家）が名づけた『大阪駅』を、大阪人は反骨精神から素直に受け入れることを潔しとせず、『梅田ステーション』と呼び続けたそうです。　だから現在でも、ＪＲ以外はすべて『梅田』。　同じ場所なのに～（＞＜；　余談ですが、大阪と梅田を並べて社名にしている企業は、反骨とか対立とかを超越した心の広い奇特な会社なのでしょう。　きっと。

先日、仕事でその天王寺を通りかかると、あべの近鉄百貨店は入場制限を行っていて大混雑。事故防止のためエスカレーターも止めているとの説明でした。大混雑で息苦しい地下から地上へ出て、見上げた光景に思わず携帯電話のカメラでパチリ☆

あべのハルカスの一部・百貨店部分が、6月13日にオープンしました。全面開業は来春とのことですが、高さ300mと、高層ビルとしては横浜ランドマークタワーの296mを抜いて日本一だそうです。ちなみに通天閣は100mですので、ちょうど3倍の高さになります。

台風の影響があってやっと梅雨らしくなりましたが、この日は青い空と白い雲がコンストラストを際立たせる夏空。　どこまでも色彩鮮やかに澄み切っています。　あべのハルカスは、そこに突き刺さるかのように力強く伸びていました。　しかし、その遥か遠くは天空と溶け合って一つになっているかのようでもありました。　この地この空の、この風景の、ここの人々の、異物となるのか？あるいは同化していくのか？　―　興味深いところです。
次は、ゆっくり館内を見に行こうと思いました。